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▲3階。ここで建物の真ん中を通り抜け、南側スロープへ出る。

区画整理された ひたすら長い一本道を歩く憂鬱さは誰にも経験はあると思うが、では憂鬱ではなく退屈しない道は何なのかといえば、それは“イビツ”さであり、計算したものからは生まれない町の“ゆらぎ”のようなものなのではないかと思う。

マンションは一度造られた以上、構造が変更されたり、増築されたり、部屋の間取りが異様に変わったり、階数が増えたり、本来あった部屋が消失したりといった事はおこらない。入居者が同一マンションを転々と引っ越すなどという事もおそらくないだろう。

この一連の“町”という単位でしかおこらないはずの変化が、沢田マンションでは、面でも、上下でも常に発生している。