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ニューヨークの自由の女神像の中が展望台で、上れるようになっていると知ったのは何時のことだったか、

鎌倉の大仏の中に初めて入り、あまりの“何も無さ” っぷりに妙に感動したのと同じころだったろうか。

あのころ漠然と、迷路のような基地のような空間を期待していた少年の思いが、ここでは現実のものとして40数年間 凛と立ち続けている。



個人的には、女性の顔の美観は時代と国によってずいぶんと開きがあり、そこに宗教の解釈・造り手のセンスといったものが加わったデフォルメのされ方で観音像のスタイルも大きく異なってくると思うのだが、・・・どうだろう、ここまでご覧いただき、この東京湾観音の造形は。
私には比較的新しい観音像ということもあってか (あるいは贔屓目なのか) とても親しみのある優しい笑顔の観音様に思えてならない。


■ムービーファイル(少々重めです)

冠部〜頭頂部のドーム部分内の映像 (上り) mpgファイル831mb
頭頂部のドーム部分内〜冠部の映像 (下り) mpgファイル927mb

冠部からの眺め mpgファイル502mb
冠部一周 mpgファイル855mb ※最後に若干お見苦しい部分がありますがご容赦ください


観音像は本来エキゾチックな顔立ちで(千手観音のように妖怪的スタイルもあり)、悪く言えば少々不気味なものを内包していると思うのだが、この観音像にはそれが無い。非常に現代的で洗練されている、言い方を変えると漫画的、あるいはアニメ的といった感じだろうか。
昭和36年建立といっても、観音様の歴史から言うと まだまだ若手故かもしれない。

嘉山貴洋 2004年6月20日/(撮影2004年1月)

 



■編集部より

いでたちの美しさは、新しければ今の人に受け入れられやすいといった趣旨で、上の文章は書かれていますが、それほど単純なものでないことは、昭和57年建立、地上100mの淡路世界平和大観音像をご覧いただけば一目瞭然です。

胴と首のあいだに展望台をはさむというエキセントリックな設計意匠に度肝抜かれるこの観音は、東京湾観音と比べると観音像であるという点以外はあまり共通する部分が無く、東京湾観音が女性特有の慈悲にあふれたお顔だちなのに比べ淡路世界平和大観音像はどこかご年配の男性を連想させます。

ちなみにアメリカ・ニューヨークの「自由の女神像」は高さ46m、ロシアにある「母なる祖国の像」というのは高さ51mだそうです。

意外にも日本は巨大像大国で、茨城県牛久市の「牛久大仏」はなんと120m、台の部分を除いた身長だけでも100m、顔20mと大物で、地上85mまではエレベーターで上れるというハイテク大仏です。

ただ、建設の思想とルックスでは少しだけ国外の物に負けているような感じがするのは気のせいでしょうか。

※ (牛久大仏は研究者が多く、検索していただくと多くのページがヒットしますので、興味のある方は一度お試しください。)

2004年6月21日

たとえば村野武徳氏など

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