清水寺に代表されるように、傾斜地に棚を用意してその上に神社仏閣を建てる様式懸造り(かけづくり)≠ヘ、日本にいくつかあるそうだが、ここ笠森観音は、地面から突き出た巨岩(山といっていいかもしれない)の上の観音堂である。 中央が尖った岩の上に建てるため、4面全て長さの異なる61本の柱を立て、苦労して造りだした平面の上に本堂を建立している。これを四方懸造り≠ニいうらしい(つまり4面どの位置から見ても清水寺のように見える)。

 延暦3年(784年)にこの岩の頭頂部に安置された観音菩薩に堂を設えるために考えられた建築様式で、16m下から支えられた本堂まで目も眩む急傾斜の階段を上って参拝する。

 その姿は噂どおり圧巻で、まったく前例もノウハウも無いこの建築物を完全に仕上げた大工の技には感動をおぼえる。


 

 

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